伊豆諸島の温泉めぐりモデルコース|式根島・新島・神津島・八丈島の湯を船で回る

式根島 地鉈温泉

伊豆諸島には、財布がほとんど要らない温泉の島があります。式根島の3つの露天温泉と新島の湯の浜露天温泉は、いずれも無料・水着着用で、清掃などの時間を除けば昼も夜も開いています。いっぽう南の八丈島は、町営の温泉浴場をバスで回る島。同じ伊豆諸島でも、湯めぐりの組み立て方がまるで違います。この記事では、船のダイヤと潮の干満から逆算して、温泉を目的にした旅程を1泊2日から設計します。

湯めぐりの設計は「北」と「南」で変わる

北の新島・式根島の主役は、海際に湧く無料の露天温泉。営業時間ではなく潮の干満が入りどきを決めるのが特徴です。南の八丈島は、ふれあいの湯・やすらぎの湯・みはらしの湯といった町営浴場を、バス乗り放題の券とあわせて回ります。そのあいだの神津島には、水着で入る大露天風呂を備えた温泉保養センター。まずは料金と時間をまとめます。

島 温泉 料金(目安) 利用時間(目安) 備考
式根島 地鉈温泉・足付温泉・松が下雅湯 無料 24時間 水着着用。海際の露天
式根島 憩の家(屋内湯) 大人200円・子供100円 10:00〜20:00 水曜休館・木曜は15:00から
新島 湯の浜露天温泉 無料 終日(清掃時間6〜9時を除く) 水着着用専用
新島 まました温泉 大人300円 13:00〜21:00 水曜定休。砂風呂は大人700円
神津島 神津島温泉保養センター 大人800円・子供400円 時期により変動 露天風呂は水着着用
八丈島 ふれあいの湯/やすらぎの湯/みはらしの湯 300円/300円/500円 施設ごとに異なる 定休は月曜/木曜/火曜

いずれも2026年9月時点の各公式サイトの表記です。料金・時間は変わることがあるため、出かける前に文末の公式リンクで確認してください。

コース1|1泊2日:新島と式根島、無料露天の王道

1日目|竹芝からジェット船で新島へ。夕方は「古代ギリシャ」の湯

東京・竹芝から新島へは、高速ジェット船で約2時間20分(目安)。前夜22時ごろ竹芝を出る夜行の大型客船(約8時間30分・目安)なら、朝から丸1日使えます。運賃は月や時期でかなり変わるため、ジェット船ガイド・大型客船ガイドとあわせて東海汽船の運賃表で最新を確認してください。

新島に着いたら、午後はまました温泉(大人300円・13:00〜21:00・水曜定休)でひと風呂。大人700円の砂風呂もあります。日が傾いたら湯の浜露天温泉へ。新島村公式が「古代ギリシャをモチーフにした建物が目印です」と案内する石造りの湯は、無料・水着着用専用で、清掃時間(6〜9時)を除けば終日入れます。夜、湯船から見上げる星空までが1日目の行程です。

新島 湯の浜露天温泉 古代ギリシャをモチーフにした石造りの柱と建物
新島・湯の浜露天温泉。村公式が「古代ギリシャをモチーフにした建物が目印です」と案内する石造りの湯

2日目|朝の連絡船「にしき」で式根島へ

新島と式根島は、村営の連絡船「にしき」が結んでいます。予約不要・大人片道430円(往復840円)で、通常ダイヤは1日3往復。新島発8:00の朝いちばんの便で渡れば、式根島で使える時間を最大にできます(夏期はダイヤが変わります)。

式根島には地鉈温泉・足付温泉・松が下雅湯という3つの露天温泉があり、式根島観光協会は「水着を持ってくれば24時間好きなときに入れる露天風呂が3カ所もあります」と案内しています。すべて無料・水着着用。3湯は歩いて回れる距離に集まっているので、半日あればひと通りめぐれます。帰りは午後のにしきで新島へ戻るか、式根島の野伏港から竹芝行きの便に乗る手もあります。

式根島 海辺の露天温泉 石で縁どられた湯船と外海
式根島の海辺に湧く露天温泉。石で縁どられた湯船のすぐ外はもう外海

湯加減は潮見表が決める|地鉈と足付の入りどき

式根島の湯めぐりで時刻表と同じくらい大事なのが、潮の干満です。地鉈温泉は源泉約80度の硫化鉄泉。海水と混ざり合って適温になるため、潮の高さで湯加減が変わります。実際に3湯を回った旅行者の動画では、入り口の「湯加減の穴」に手を入れて温度を確かめてから谷を下り、干潮どきはかえって熱すぎるため、海水と混ざり合う湯だまりを探して入っていました。足付温泉は反対に、満潮どきはぬるくて入りにくかったとのこと。島内で唯一の無色透明の湯です。

潮が読めない日の受け皿が松が下雅湯です。観光協会は「潮の満ち引きに関係なく、いつでも快適な湯温です」と案内しています。雨の日や湯冷めが心配な夜は、屋内の憩の家(大人200円・10:00〜20:00・水曜休館、木曜は15:00から)へ。3つの露天の詳しい場所と入り方は式根島の海の温泉ガイドにまとめてあります。

式根島 地鉈温泉 赤茶色に染まった岩と湯だまり
式根島・地鉈温泉。硫化鉄泉の湯が岩を赤茶色に染める

コース2|2泊3日:式根島から神津島へ、水着で入る大露天

もう1泊できるなら、式根島からさらに南隣の神津島へ。竹芝発の下り便は大島→利島→新島→式根島→神津島と順に寄港する航路なので、式根島の野伏港からそのまま神津島行きに乗れます(便により寄港地が変わる日があります。島から島への渡り方は島間移動ガイドを参照)。

神津島の湯は神津島温泉保養センター(大人800円・子供400円)。自然の岩場を利用した広さ275平方メートルの大露天風呂があり、露天は水着着用です。海で遊んだあとや、天上山を下りたあとの仕上げにちょうどいい位置づけで、営業時間・休館日は神津島観光協会の案内ページで最新を確認してから訪ねてください。3日目は神津島港からジェット船(竹芝まで約3時間5分・目安)か夜行客船で帰ります。

コース3|南の八丈島:湯めぐりの券が2種類ある

八丈島へは羽田からANAの飛行機で約55分。竹芝から夜行の大型客船・橘丸で向かう手もあります。この島の湯めぐりは北の島と発想が変わり、券の選び方が設計の中心になります。

選択肢は2つ。その日のうちに各町営浴場を1回ずつ回れる温泉一日周遊券(大人600円)と、購入日から2日間バス乗り放題+ふれあいの湯・やすらぎの湯・みはらしの湯が入り放題になるBU・S・PA(大人1,000円・小学生500円)です。3湯の通常料金は300円・300円・500円なので、バスで移動しながら2日かけて回るならBU・S・PAが割安です。定休日が施設ごとに違う(ふれあいの湯=月曜・やすらぎの湯=木曜・みはらしの湯=火曜)ため、回る順番は定休日から逆算します。みはらしの湯は奇数日と偶数日で男女の浴室が入れ替わるのも覚えておきたいところ。

注意点がひとつ。中之郷の無料露天として知られた裏見ヶ滝温泉は、井戸ポンプの故障で2026年7月17日から「しばらくの間」臨時休業中です。2026年8月10日〜9月23日は、水道水を使った期間限定の「水風呂」(9:00〜21:00・水着着用)として臨時営業していますが、温泉としての再開時期は案内されていません。最新の状況は八丈町公式で確認してください(2026年9月時点)。

また、八丈島のバスは現金のみなど独特のルールがあります。実際の乗り方と町営の湯の詳しい回り方は、欠航した日の過ごし方を扱った八丈島で足止めされたらのなかで書いています。

持ち物と作法

北の島の露天はどこも水着が入場券です。水着・タオル・すべりにくいサンダルの3点は必携。岩場の湯は夜の照明が少ないので、暗くなってから動くならヘッドライトがあると安心です。飲食を持ち込まない、お酒を飲んだあとは入らない、長湯をしすぎない、というのが式根島の3湯に共通する基本の作法。自然の湯なので、天候や海のようすによっては入れない日があることも織り込んで、行程には必ず「入れなかったときの代わりの湯」を用意しておきましょう。

まとめ

無料の露天がひしめく北の新島・式根島は、潮見表と連絡船のダイヤから。町営の湯を券で回る南の八丈島は、定休日とバスの時刻から。伊豆諸島の湯めぐりは、時刻表の読み方がそのまま旅の設計図になります。まずは週末の1泊2日、新島・式根島から始めるのがおすすめです。2島の観光もあわせた行程は新島・式根島 2泊3日モデルコースに、島ごとの温泉の顔ぶれは伊豆諸島の温泉まとめにまとめてあります。

参考・出典(公式サイト)

あわせて読みたい

※ 情報は変更される場合があります。おでかけ前に各公式サイトでご確認ください。(最終確認:2026年9月)

← 島めぐりトップへ モデルコースの記事一覧 →