東海汽船の船室クラスの選び方|さるびあ丸の個室は12室しかない。クラス別の運賃と設備、予約が開く時刻

夜の竹芝客船ターミナルに停泊する東海汽船の大型客船さるびあ丸

東京・竹芝を夜に出る東海汽船の大型客船は、同じ便に乗っても船室のクラスで運賃が2.8倍まで開きます。では奮発して個室を取ればいいのかというと、そもそも部屋の数が限られています。さるびあ丸の公式の客室案内に書かれた室数を足すと、個室タイプは特等6室と特1等6室の合計12室。この記事では東海汽船の公式情報から、船室の室数・クラス別の運賃・設備の差・予約が開く時刻を並べます。船とクラスの全体像は東海汽船の大型客船ガイドにまとめているので、ここは「数」と「予約の実務」に絞ります(金額・時刻は2026年9月時点の公式表示=いずれも目安)。

さるびあ丸の個室は12室しかない

さるびあ丸の客室は6クラス。公式の客室案内で室数が明記されているのは上位3クラスで、特等6室・特1等6室・1等室10室です。特等は2名、特1等は4名の定員なので、個室タイプで渡れるのは合わせて36人分。この船の指定席は733席(沿海区域=御蔵島までの旅客定員は1,343人)ですから、個室タイプは指定席のおよそ4.9%ということになります。

しかも特1等には「混雑している際は相部屋となる可能性があります」という注記が公式に付いています。確実に2人きりの空間になるのは特等の6室で、この6室を狙うなら予約が開く時刻から逆算するしかありません(後述)。

クラス(さるびあ丸) 室数 定員 寝るかたち
特等室 6室 2名 ベッド。シャワー・ウォシュレットトイレ付き
特1等室 6室 4名 2段ベッド。混雑時は相部屋となる可能性あり
1等室 10室 6〜12名 布団セット。顔の部分をパーテーションで仕切る相部屋
特2等室 記載なし - 2段ベッド。カーテンを閉めれば仕切れる
2等和室 記載なし 4(バリアフリー区画)〜18名 大部屋。枕のみで毛布は有料貸出
2等椅子席 記載なし - リクライニングシート。全席USBポート付き
さるびあ丸の客室(東海汽船公式の客室案内より。室数は公式に記載のあるクラスのみ/2026年9月時点)

1等室は6〜12名の相部屋で、公式が室数を書いているのはここまで。特2等から下のクラスは「部屋」ではなく寝台や座席の単位で売られるため、いくつ分あるのかは公表されていません。数えられる範囲でいちばん少ないのが個室、という構図です。

クラス別の運賃|東京発・全区間の早見表

クラスを決めるには実額を並べたほうが早いので、2026年9月の運賃表から東京発・大人・片道の全クラスを書き出します。

区間(東京発・片道) 2等 特2等 1等 特1等 特等
東京〜大島 6,430円 9,670円 12,870円 15,440円 18,010円
東京〜利島 7,170円 10,750円 14,330円 17,200円 20,060円
東京〜新島・式根島 8,670円 13,010円 17,340円 20,810円 24,280円
東京〜神津島 9,190円 13,780円 18,380円 22,060円 25,730円
東京〜三宅島 9,690円 14,540円 19,390円 23,270円 27,140円
東京〜御蔵島 10,860円 16,300円 21,720円 26,060円 30,400円
東京〜八丈島 12,140円 18,210円 24,280円 29,140円 33,990円
2026年9月の運賃表(大人・片道・目安)。消費税と燃料油価格変動調整金を含む。新島と式根島は同額/出典:東海汽船「運賃表」

7区間すべてを計算すると、特2等は2等の約1.5倍、1等は約2.0倍、特1等は約2.4倍、特等は約2.8倍に揃います。10月・11月の運賃表でも同じ比率です。つまりクラスの上乗せは金額ではなく率で決まっているということ(倍率の目安そのものは大型客船ガイドでも触れています)。

遠い島ほど、個室の上乗せは高くつく

率で決まるということは、運賃の高い島ほど上のクラスとの差額が開きます。2等との差額は、東京〜大島なら特2等が+3,240円・特等が+11,580円。東京〜八丈島では特2等が+6,070円・特等が+21,850円(いずれも2026年9月)。上の部屋を一度試すコストがいちばん小さいのは、いちばん近い大島です。八丈島で特等を取るなら、往復で4万円以上を運賃に上乗せする計算になります。

同じ2等でも、月が変われば運賃が変わる

東海汽船の運賃表は月ごとに出ます。表示額には消費税と燃料油価格変動調整金が含まれると公式に注記があり、月をまたぐと金額が動きます。2等で並べると次のとおりです。

区間(東京発・2等・片道) 2026年9月 2026年10月 2026年11月
東京〜大島 6,430円 5,890円 6,160円
東京〜利島 7,170円 6,550円 6,860円
東京〜新島・式根島 8,670円 7,930円 8,300円
東京〜神津島 9,190円 8,400円 8,800円
東京〜三宅島 9,690円 8,870円 9,280円
東京〜御蔵島 10,860円 9,930円 10,400円
東京〜八丈島 12,140円 11,100円 11,620円
月別の2等運賃(大人・片道・目安)。出典:東海汽船「運賃表」の9月・10月・11月

どの区間も9月から10月にかけて8.5%前後下がり、11月にいくらか戻ります。東京〜八丈島なら9月12,140円・10月11,100円で1,040円の差。倍率が一定なので上のクラスほど振れ幅も大きく、八丈島の特等は9月33,990円・10月31,080円と2,910円違います。同じ船の同じ部屋でも月で値段が動くので、予算は「旅に出る月の運賃表」で立てるのが確実です。

設備の差は「寝具」と「アメニティ」に出る

運賃だけ見ても何が違うのか分かりにくいので、公式の客室設備・備品の一覧をそのまま表にします(さるびあ丸)。

設備・備品 特等 特1等 1等室 特2等室 2等和室 2等椅子席
寝るかたち ベッド 2段ベッド 布団セット 2段ベッド 枕のみ ヘッドレストのみ
室内のトイレ・シャワー ○ ○ - - - -
机 ○ ○ - - - -
テレビ ○ ○ ○ - ○ ○
鍵つきロッカー - ○ ○ ○ ○ ○
コンセント ○ ○ ○ ○ ○ ○(全席USBポート)
浴衣・バスタオル ○ ○ - - - -
歯ブラシ・シャンプー類 ○ ○ - - - -
電気ケトル・お茶 ○ ○ - - - -
さるびあ丸の客室設備・備品(東海汽船公式の一覧より要約/2026年9月時点)

読みどころは3つあります。ひとつ目は寝具で、敷布団・掛布団・枕がそろう布団セットが付くのは1等室。2等和室は枕のみ、2等椅子席はヘッドレストのみで、毛布は船内の有料貸出(1枚200円)です。ふたつ目はアメニティで、浴衣・バスタオル・歯ブラシ類・電気ケトル、そして室内のトイレとシャワーは特等と特1等だけ。ここが運賃差の中身です。

3つ目は、意外に差が付かない項目。コンセントは全クラスにあり、2等椅子席は全席にUSBポートが付きます。鍵つきロッカーも、公式の一覧では特等を除く5クラスに○が付いています。逆にテレビが付かないのは特2等室です。充電と荷物の置き場だけなら、いちばん安いクラスでも困りません。

さるびあ丸と橘丸で違うところ

三宅島・御蔵島・八丈島へ向かう橘丸には、さるびあ丸にない特1等和室(4名定員・布団セット・シャワー/トイレ付き)があります。2026年9月の運賃表では、この部屋は特1等の運賃に加えてルームチャージ1室4,400円(全区間同額・2名以上から・割引の適用なし)が必要と書かれています。ただしこの欄は「9月23日東京着まで」という期間の見出しが付いており、10月・11月の運賃表には載っていません。和室を取るときは乗る月の運賃表を開いて確かめるのが安全です。

細かいところでは、コイン式シャワールームの時間がさるびあ丸は3分100円、橘丸は5分100円と違います。橘丸は2等室の一部が女性専用エリア(席数に限りあり)で、キッズルームもあり。客室では、さるびあ丸の案内にあって橘丸の案内にないのが2等椅子席です。共用施設は、さるびあ丸が展望デッキと喫煙室を、橘丸が5階デッキ(外)とキッズルームを挙げています。

比べどころ さるびあ丸 橘丸
主な航路 東京〜大島〜利島〜新島〜式根島〜神津島 東京〜三宅島〜御蔵島〜八丈島
総トン数/航海速力 6,099トン/20ノット 5,681トン/19ノット
旅客定員(沿海区域) 1,343人(指定席733席) 1,000人(指定席596席)
この船だけの客室 2等椅子席 特1等和室(ルームチャージあり)
シャワー コイン式 3分100円 コイン式 5分100円
共用施設の特色 展望デッキ・喫煙室 5階デッキ(外)・キッズルーム
2等室の女性専用エリア 案内に記載なし 一部を女性専用エリアに(席数に限りあり)
2隻の違い(東海汽船公式の船舶概要・客室案内より/2026年9月時点)

個室を狙うなら「2ヶ月前同日の0時」

ここが12室をめぐる本題です。インターネット予約の受付開始は乗船日の2ヶ月前同日0時。会員登録(無料)が必要で、支払いはクレジットカードのみ、受付は利用便の出航1時間前まで(決済完了まで)です。電話のお客様センターも受付開始は2ヶ月前同日ですが、営業時間は9:30〜18:00。同じ解禁日でも、ネットのほうが9時間半早く動けます。特等6室を本気で狙うなら、手段は実質ひとつです。

空席照会は乗船日時の3日前(72時間前)まで確認できます。満席だったときのキャンセル待ちは3日前までお客様センター、当日の大型客船は竹芝支店(03-3433-1251)で受け付け。下田発着(神新汽船)はネット予約の対象外で電話のみ、八丈島〜青ヶ島航路(伊豆諸島開発)は当日発売のみ、という例外もあります。復路は往路と別に2ヶ月前同日から取るのが基本で、電話なら往路の予約日を基準に3日後の便まで一緒に申し込めます。

夜の竹芝客船ターミナル前広場で乗船を待つ人たち
出港前の竹芝客船ターミナル前広場。夜行便は荷物を持った人が三々五々集まってくる

乗ってからの時間割|レストラン・ロッカー・買い出し

船内レストランの営業時間は航路ごとに決まっています。夜行便は出港直後の1時間と翌朝の1時間が勝負どころです。

航路 夜 朝 昼以降
大島・利島・新島・式根島・神津島 22:00〜23:00 7:30〜8:30 12:00〜14:00/16:00〜17:30
三宅島・御蔵島・八丈島 22:30〜23:30 7:30〜8:30 12:30〜14:30/17:00〜18:30
船内レストランの営業時間(東海汽船2025年10月10日付のお知らせより)。東京23:00発のダイヤや横浜寄港便は時間が変わる

売店と自動販売機のほか、約7℃で食品を保存できる冷蔵ロッカー(1航海限り・コイン式200円)とコイン式シャワールームがあります。船内で買えるものは限られるので、食べたいものがあるなら乗る前の調達が前提です。

実際に特2等で大島へ渡った個人の乗船動画では、「特2等がいちばんコスパがいい」と選んだうえで、2段ベッドはカーテンを閉めれば自分の空間になること、枕元に読書灯とコンセント、小物を入れられる網があることを紹介しています。買い出しは乗る前に済ませて冷蔵ロッカーに預け、竹芝桟橋のそばで使えるコンビニは1軒だけだった、という実感も語られていました(出典:東京から伊豆大島の行き方/東海汽船/特2等)。浜松町から歩く途中で買っておく、というのが現実的な段取りです。

竹芝客船ターミナルの館名サインと運航案内板
竹芝客船ターミナルの入口。右手の案内板に当日の便と就航状況が出る

まとめ|どのクラスを選ぶか

  • 2人で確実に個室にしたい…特等(さるびあ丸は6室)。2ヶ月前同日0時のネット予約から動く。
  • 家族・グループ4人…特1等。ただし混雑時は相部屋になる可能性あり。橘丸なら特1等和室とルームチャージの扱いを運賃表で確認。
  • 眠って翌朝から動きたい…特2等。上乗せは大島で+3,240円、八丈島で+6,070円(2026年9月)。
  • 費用を抑えたい…2等和室・2等椅子席。寝具は枕かヘッドレストのみなので、毛布(1枚200円)か上着を用意する。

船室選びは「快適さ」だけの話に見えて、実際は12室という在庫と、2ヶ月前0時という解禁時刻に縛られています。運賃は月で動き、クラスの上乗せは率で決まる。この3つを押さえておけば、予約画面を開いた時点で迷う時間がぐっと短くなります。

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参考・出典(公式サイト)

※ 情報は変更される場合があります。おでかけ前に各公式サイトでご確認ください。(最終確認:2026年9月)

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