伊豆諸島のベストシーズンはいつか|月別・島別の旅ごろカレンダー

八丈富士 お鉢めぐりの稜線と太平洋

「伊豆諸島は、いつ行くのがいいですか」という質問に、ひとつの答えはありません。9つの島はそれぞれ気候も遊びも違い、椿の季節に船が止まりやすい島もあれば、真冬でも月平均気温が10℃を下回らない島もあります。この記事では、気象庁の平年値と各島公式の一次情報だけを使って、「何月に・どの島で・何をするか」を整理しました。

まず数字から|冬でも月平均10℃を切らない島がある

感覚ではなく平年値(1991〜2020年・気象庁)で見ると、伊豆諸島の一年はこう動きます。

月 大島の平均気温 八丈島の平均気温
1月 7.5℃ 10.1℃
4月 14.4℃ 15.8℃
7月 24.6℃ 25.2℃
8月 26.0℃ 26.5℃
10月 18.9℃ 21.0℃
年平均 16.4℃ 18.0℃
気象庁 平年値(1991〜2020年)より。数値は目安(出典:気象庁 大島・八丈島観測所)

南部に位置する八丈島は1月でも平均10.1℃、年平均18.0℃。真夏の暑さは本州とほぼ同じですが、冬の冷え込みが浅いのが海洋性気候の特徴です。もうひとつ大事な数字が雨で、両島とも年間で降水量がいちばん多いのは10月(大島405.2mm・八丈島479.1mm)。「秋の島は晴れの季節」と思って行くと外れます。

冬(12〜2月)|椿が咲き、船が止まる

冬の主役は椿です。島の面積の約80%をヤブツバキの林が覆う利島では、村の公式Q&Aがこう書いています——「1〜2月は、島の至るところで咲き誇る椿を見ることができますが、時期的に欠航率が高いので、必ずヘリの予約をしてお越しください」。花の見頃と欠航リスクが重なる、というのが冬の伊豆諸島の本質です。

赤い花をつけたヤブツバキと光沢のある厚い葉
ヤブツバキの花。利島では1〜2月、島の至るところで椿が咲く(利島村公式Q&Aより)

もともと就航率50〜60%の青ヶ島(村公式)では、島に暮らす方が解説動画で「1〜2月は2週間船が来ないこともある」と語っています。冬に南の島を目指すなら、帰りの予備日を1〜2日確保し、ヘリコミューターの予約を先に押さえるのが計画の芯になります。組み方は青ヶ島へのアクセス記事に詳しくまとめました。冬の楽しみには星空と温泉もあります。神津島は2020年12月に国際ダークスカイ協会の「星空保護区」に認定されています。式根島には屋外の無料温泉が点在し、こちらは季節を問いません(式根島観光協会)。

春(3〜5月)|イルカが戻り、鳥がさえずる

3月は生きものの季節の始まりです。御蔵島のドルフィンスイムのシーズンは3月中旬〜11月中旬(御蔵島観光協会の案内は3月15日〜11月15日)、利島も村公式Q&Aが「ドルフィンスイムは、3〜11月までとなっています」と明記しています。三宅島では、国の天然記念物イイジマムシクイが3月下旬に渡来します(アカコッコ館の鳥図鑑)。

水面近くを泳ぐミナミハンドウイルカ
御蔵島の海を泳ぐイルカ。ドルフィンスイムの期間は3月中旬〜11月中旬(御蔵島観光協会)

気温は4月に15℃前後まで戻り、山歩きにも向く季節です。ただし、イルカは遭遇率が話題になりがちですが「会える保証がない」のが前提。期間の始まりと終わりは海況次第で変わるため、予約前に各島の観光協会で最新の運航状況を確かめてください。

夏(6〜8月)|海のトップシーズン。ただし6月は梅雨

6月は梅雨で、八丈島の降水量は月390.3mm(平年値)と10月に次ぐ多さです。海の季節が本格化するのは7月から。たとえば神津島では、海水浴場の遊泳情報を観光協会がLINEのオープンチャットで発信しています(神津島観光協会)。泳げるかどうかは、現地のその日の判断が最優先です。これが島の海の前提です。

高台から見下ろす新島・羽伏浦海岸の白い砂浜と青い海
新島・羽伏浦海岸。白い砂浜が約6.5km続く(新島村公式)

8月の平均気温は大島26.0℃・八丈島26.5℃。どの島で泳ぐかは9島のビーチまとめで比べられます。船・宿の予約は先手が基本です。

秋(9〜11月)|台風さえ外せば、静かな上級シーズン

気象庁の平年値では、台風の発生は8月が最多(5.7個)、日本への接近は8月と9月が同数で最多(各3.3個)。さらに前述のとおり10月は両島とも年間で雨がいちばん多い月です。つまり9〜10月は「空いていて海も暖かいが、日程が壊れる確率もいちばん高い」季節。欠航で足止めされた日の動き方を先に読んでおくと、崩れたときの被害が小さくなります。

その代わり、当たりの日の秋は静かです。秋に伊豆大島を1泊2日で歩いた旅行者の記録動画には、裏砂漠の黒い砂地の周囲にススキの原が広がる様子が映っていて、「ここが東京とは信じられない」という感想が繰り返されていました。一方で、軽装で参加したトレッキングが約4時間と知って慌てる場面もあり、秋の山歩きは所要時間と装備の確認が前提です。11月に入れば台風の接近は平年0.5個まで減り、気温は大島14.5℃・八丈島16.9℃と、春の入り口ほどの陽気まで戻ります。山歩きと星空の季節です。晩秋には利島の椿が咲き始め(村公式は開花期を晩秋〜初春としています)、島の一年はまた冬へ戻っていきます。

月別早見表|どの月に、どの島へ

時期 主役になる遊びと島 気をつけること
12〜2月 椿(利島)/星空(神津島)/温泉(式根島) 欠航率が上がる。利島は村がヘリ予約を明言
3〜5月 イルカ解禁(御蔵島・利島)/野鳥(三宅島) 期間の始まりは海況次第。保証はない
6月 新緑と温泉(式根島の屋外温泉は通年) 梅雨。八丈島は月390mmの雨
7〜8月 海水浴・シュノーケル(全島) 船と宿が埋まる。8月は台風接近も最多
9〜10月 静かな海と山。イルカは11月まで 9月は台風接近が8月と並び最多・10月は雨が最多。予備日を
11月 山歩き・星空・椿の咲き始め 気温は春先の水準まで低下。海遊びの季節は終了
時期はいずれも目安。船・ツアーの最新状況は各公式サイトで(出典は記事末尾)

まとめ

海が目的なら7〜8月、イルカと生きものなら3〜11月、椿と星空なら冬。そしてどの季節を選んでも、往復の便が計画どおり動くかどうかが島旅の変数です。冬と台風期は予備日を組み込み、変動する時刻・運賃は必ず公式で確かめる。それだけで、伊豆諸島は一年じゅう旅の適期になります。

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参考・出典(公式サイト)

※ 情報は変更される場合があります。おでかけ前に各公式サイトでご確認ください。(最終確認:2026年9月)

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