東京・竹芝から船で向かう伊豆諸島の神津島は、2020年に東京都で初めて「星空保護区」に認定された、夜空そのものが見どころの島です。島全体で夜間の照明に配慮しているため、集落のすぐそばでも肉眼でたくさんの星を見上げられます。この記事では、認定の意味から観測スポット、天の川が見えやすい時期、星を見るときのマナーまでを、公式情報をもとに整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認定 | 星空保護区(ダークスカイ・パーク)。島全域が対象のため「ダークスカイ・アイランド」の呼称使用が認められている。国際ダークスカイ協会(IDA)が2020年(令和2年)12月に認定。東京都で初、国内では2例目。 |
| 対象範囲 | 神津島全域(面積 約18.58km²) |
| 主な観測スポット | よたね広場(集落の高台。多くの宿から徒歩圏内で、トイレ・自動販売機あり)ほか。神津島観光協会による島民ガイドの星空ツアーもある。 |
| 天上山(てんじょうさん) | 標高572mの島のシンボル。花の百名山などに選定。登山は日没前の下山が前提。 |
| ベスト時期の目安 | 月明かりの少ない新月前後。夏は天の川が高く昇り、冬は空気が澄んで星がよく見える。 |
| 星を見るマナー | 光を落とす(懐中電灯は足元のみ・赤色ライトの活用)/私有地や農地に入らない/防寒対策 |
| アクセス(東京から) | 竹芝から高速ジェット船 最短約3時間5分、大型客船(夜行)最短約9時間55分。調布飛行場から飛行機(新中央航空)約45分。 |
神津島が「星空保護区」であるということ
星空保護区は、光害の少ない優れた夜空を守る地域を、国際ダークスカイ協会(IDA、米国アリゾナ州)が認定する国際的な制度です。神津島は2020年(令和2年)12月に「ダークスカイ・パーク」として認定され、島全域が対象であることから、特別に「ダークスカイ・アイランド」の呼称の使用が認められました。国内では西表石垣国立公園(沖縄県)に続く2例目で、東京都では初めての認定です。
島全体で「暗さ」を守る仕組み
この認定の背景には、島ぐるみの取り組みがあります。神津島村は2020年1月に「神津島村の星空公園条例」と「神津島村の美しい星空を守る光害防止条例」を施行し、その後、島内の道路灯や防犯灯を、光が上や横に漏れにくい光害対策型の照明へ改修しました。この改修は2021年3月に完了しています。夜空の暗さは一度きりの認定で終わりではなく、定期的な観測によって基準が保たれているかが確かめられています。旅行者にとっては、この「暗さ」こそが最大の魅力であり、それを守る一員として振る舞うことが大切になります。
星を見るスポット
よたね広場
まず候補に挙がるのが、集落の高台にある「よたね広場」です。多くの宿から徒歩圏内で、トイレや自動販売機もあり、星空観賞のスポットとして親しまれています。定期的な観測でも暗さの基準を満たしているとされ、初めての人でも訪れやすい場所です。ただし夜道には暗い場所や階段もあるため、足元には十分注意してください。
島民ガイドの星空ツアー
どこで見ればよいか迷うなら、神津島観光協会が開催している、島民ガイドによる星空ツアーの利用も一つの方法です。季節ごとに見える星や星座、その夜の空の様子を案内してもらえるため、自分だけで見るよりも星空の楽しみ方が広がります。最新の開催状況や申し込みは、観光協会の特設サイトで確認できます。
島のシンボル・天上山
神津島の中央にそびえる天上山(標高572m)は、洋上からもそれとわかる台形の山容が特徴で、古くから信仰の対象とされてきた島のシンボルです。年間を通じて伊豆諸島の固有種を含む花々が見られ、「花の百名山」「新日本百名山」などにも選ばれています。登山口は神津島港から徒歩でアクセスでき、山頂付近には不動池などの見どころがあります。なお、天上山は安全のため日没前の下山が前提とされている山です。夜の星空観賞は麓の広場などで行い、天上山は昼の登山とあわせて楽しむのが安心です。

星空のベスト時期・見え方
星をたくさん見たいなら、月明かりの影響が少ない新月の前後を狙うのが基本です。満月に近い時期でも、月が沈んでいる時間帯を選べば暗い空になります。出かける前に、その日の月の出・月の入りの時刻を調べておくとよいでしょう。
季節による見え方の違いも押さえておくと計画が立てやすくなります。天の川の濃い中心方向が高く昇るのは主に夏で、見応えのある淡い光の帯を追いやすい時期です。一方、冬は空気が乾いて澄み、星の瞬きがはっきり感じられます。オリオン座などの明るい星や、時期ごとの流星群にあわせて訪れるのもおすすめです。いずれの季節も、目が暗さに慣れるまで15〜20分ほどかかるため、時間に余裕をもって空を見上げてみてください。

星を見るときのマナー・注意点
- 光を落とす:懐中電灯やスマートフォンの画面は必要最小限にし、足元を照らすときも周囲や空に向けないようにします。天体観賞では、白色光よりまぶしさの少ない赤色ライトを使うと、自分も周りの人も目が暗さに慣れた状態を保てます。
- 周囲への配慮:車で移動する際はヘッドライトやアイドリングにも気を配りましょう。島の暗さは、住民と多くの人の協力で守られています。
- 安全と場所のマナー:夜道は暗く、階段や段差もあります。歩きやすい靴で、私有地や農地には立ち入らないようにしてください。海沿いや高台は夜間に冷えるため、季節を問わず防寒対策を。
- ゴミは持ち帰る:観賞後はその場を暗いまま、きれいなまま次の人へ。
まとめ
神津島は、条例と照明の改修によって島ぐるみで夜空の暗さを守り、東京都で初めて星空保護区に認定された島です。よたね広場のように訪れやすいスポットや島民ガイドのツアーがあり、月明かりの少ない新月前後を選べば、天の川や季節の星をゆっくり楽しめます。星を見る一人ひとりが光を落とし、場所への配慮を心がけることが、この星空を次に訪れる人へつなぐことにもつながります。アクセスは東京・竹芝からの船と、調布飛行場からの飛行機があるので、日程にあわせて選んでみてください。
