結論から言うと、台風シーズンに伊豆諸島へ行くなら、帰りの予備日は2日取り、台風が近づくと分かったら接近の2日以上前の船で帰る日程にしておきます。御蔵島観光協会が公開している東海汽船の運航記録と、気象庁の台風位置表を1日ずつ突き合わせると、2013〜2025年に御蔵島から300km以内へ入った台風は39回ありました。台風が300km圏を出てから船が御蔵島を出たのは、2日後までで39回中33回、3日後までで37回です。10月の14回に限ると、11回は接近の前日にもう船が着いておらず、12回は島を出る最後の船が接近の2日以上前でした。
台風シーズンの日程で決めておくこと
39回の記録から出した目安を、場面ごとに並べます。数え方は記事の最後に書いています。
| 場面 | 記録で分かったこと(2013〜2025年・39回) | 日程の目安 |
|---|---|---|
| 行く前 | 10月は14回中11回、台風が300km圏に入る前日にはもう船が着いていなかった(9月は9回中0回) | 出発の5日前から気象庁の台風情報を見る。10月は出発日を動かせる予約にしておく |
| 島にいるとき | 島を出る最後の船が接近の2日以上前だった回は39回中21回、10月は14回中12回 | 台風の接近が分かったら、接近の2日以上前の船で帰る |
| 帰りの予備日 | 300km圏を出た翌日に船が島を出たのは39回中15回。2日後までで33回、3日後までで37回 | 予備日は2日。3日あれば9〜10月の23回はすべて帰れている |
台風はいつ、どのくらい御蔵島の近くを通ったか
数え方は「中心が御蔵島から300km以内」
気象庁は、台風の中心が「東京都の伊豆諸島、小笠原諸島のいずれかの気象官署等から300 km以内に入った場合」を、伊豆諸島および小笠原諸島に接近した台風として数えています。この記事でも同じ300kmを使い、基準の地点を運航記録のある御蔵島にしました。気象庁の台風位置表から、中心が御蔵島から300km以内に入った台風を拾っています。
13年間で39回、最も多かったのは10月の14回
| 月 | 御蔵島の300km圏に 入った台風 (2013〜2025年の合計) |
参考:気象庁の平年値 (伊豆諸島・小笠原諸島 への接近数) |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 0回 | 4月0.1個・5月0.4個 |
| 6月 | 2回 | 0.4個 |
| 7月 | 5回 | 0.7個 |
| 8月 | 9回 | 1.0個 |
| 9月 | 9回 | 1.5個 |
| 10月 | 14回 | 1.3個 |
| 11月 | 0回 | 0.3個 |
13年のうち、300km圏に台風が入らなかった年はありません。いちばん多かったのは2025年の6回です。気象庁の平年値(1991〜2020年の平均)では、日本全国への接近数は8月と9月が各3.3個で最も多い一方、伊豆諸島・小笠原諸島への接近数は9月1.5個、10月1.3個、8月1.0個の順です。全国では10月の接近数が1.7個と8月・9月の半分ほどに減るのに対し、伊豆諸島・小笠原諸島では10月も9月に近い数になっています。
台風が近づくと、船はいつから止まったか
300km圏にいた日に船が着いたのは39回中5回
39回のうち34回は、台風の中心が300km圏にいた日に、船が一度も御蔵島に着いていません。着いた5回のうち3回は、圏内に入った初日だけ着いて、翌日は着かなかった回です。残る2回は、圏内にいた間の中心気圧が最も低いときでも992hPaだった台風です。
台風が島から離れたところを通っても、船は止まっています。39回のうち、中心が御蔵島から150kmより遠くを通った台風は23回あり、そのうち22回は圏内にいた日に船が一度も着いていません。
9月と10月で、止まり始める日が違う
| 300km圏に入る日から見て | 6〜8月 (16回) |
9月 (9回) |
10月 (14回) |
|---|---|---|---|
| 前日に船が着かなかった | 5回 | 0回 | 11回 |
| 2日前から続けて着かなかった | 3回 | 0回 | 7回 |
| 島を出る最後の船が2日以上前 | 7回 | 2回 | 12回 |
9月の9回は、300km圏に入る前日に船が着かなかった回が一度もありません。10月は14回中11回で前日にもう着いておらず、そのうち7回は2日前から着いていませんでした。
10月は、台風と関係のない日も船が着きにくい月です。2013〜2025年の記録で船が御蔵島に着いた日の割合は9月71.7%、10月58.8%でした。台風が絡んだ期間(接近の前から続いた欠航の初日から、通過後に船が着く前日まで)を除いても、9月の75.9%に対して10月は66.6%です。

島にいるときは、接近の2日以上前の船で帰る
利島村は来島者向けのQ&Aで、「台風など事前に接近が分かっている場合は、旅行や仕事を切り上げて、できる限り帰ることをおすすめします」と案内しています。記録を見ると、島を出る最後の船が接近の2日以上前だった回は39回中21回、10月に限ると14回中12回です。10月は、接近の前日に帰ろうとしても船が出ていない回のほうが多くなっています。
台風が近づくと、島に入る物資も止まります。2023年8月の台風第7号では、八丈島で航空便もフェリーも欠航し、島のスーパーではパンやカップ麺など日持ちする食品の棚がほぼ空になっていた様子をTBSが伝えています。足止めされた日の島での過ごし方は、八丈島で足止めされたらにまとめています。
台風の進路は、気象庁の「台風情報」で確認します。気象庁は、台風の5日(120時間)先までの予報を6時間ごとに発表しています。地図に出る予報円は、予報した時刻に台風の中心がその円内に入る確率が70%の範囲です。暴風域に入る確率も、5日先まで地域ごとの値で見られます。船の運航が決まる時刻と運航状況ページの読み方は、伊豆諸島で船が欠航したらにまとめています。
台風が過ぎたあと、船は何日で戻ったか
| 300km圏を 出た日から |
船が島を出た (39回) |
船が島に着いた (39回) |
船が島を出た (9〜10月の23回) |
|---|---|---|---|
| 翌日 | 15回 | 13回 | 6回 |
| 2日後まで | 33回 | 31回 | 20回 |
| 3日後まで | 37回 | 36回 | 23回 |
| 4日後以降 | 2回 | 3回 | 0回 |
最も多いのは2日後で、船が島を出た日でも着いた日でも、39回中18回が2日後でした。翌日に船が島を出たのは15回で、半分に届きません。利島村のQ&Aにも「台風が過ぎ去っても、ウネリの影響で数日は船便の運航ができないことがあります」とあります。
雨と風がやんでも、船が出るとは限りません。2023年9月の台風第13号のときに伊豆大島に滞在していた人の動画では、帰る予定だった9月8日の船が欠航し、その日の昼には雨がやんで風が少しある程度だったと話しています。翌9日は予定していた飛行機も欠航の電話連絡があり、同じ日の10時30分発のジェット船で帰っています。欠航明けの便は乗船券売り場に長い列ができ、出航は45分遅れたそうです。
4日後以降にずれ込んだのは夏の台風
船が着くまで4日以上かかったのは、2019年台風第3号(6月・5日後)、2021年台風第10号(8月・9日後)、2022年台風第8号(8月・5日後)の3回です。2021年台風第10号の回は、300km圏に入った日から10日続けて船が着きませんでした。船が島を出るまで4日かかったのは、2019年台風第3号と2021年台風第10号の2回です。9〜10月の23回は、着く側も出る側も、すべて3日後までに船が動いています。

台風シーズンの日程の組み方
帰りの予備日は2日取る
台風が300km圏を出た日が帰る予定日に重なった場合、予備日1日で帰れたのは39回中15回です。2日取ると33回、3日取ると37回になります。9〜10月に限ると、2日で23回中20回、3日で23回すべてでした。御蔵島へのアクセスでは、ふだんの旅でも帰りに予備日を1日取る組み方を書いています。台風の時期は、それより1日多く取ります。
10月は出発日を動かせる予約にしておく
10月は、台風が300km圏に入る前日に船が着かなかった回が14回中11回あります。出発の数日前に台風の予報円が伊豆諸島にかかっていたら出発日をずらせるように、変更しやすい予約にしておきます。
東海汽船は、2026年8月31日(月)の東京夜発便から「当面の間」、予約の変更・取消の手数料を取らない対応をしています。インターネット予約は、出発日の前日まで自分で変更・取消ができます。旅行会社で予約した場合は、旅行会社の規定で扱いが異なることがあります。終了の時期は書かれていないため、予約の前に同社のお知らせで確認します。宿の変更・取消の条件は、宿ごとに違います。
船以外の帰り方も調べておく
前の節の伊豆大島の例では、飛行機が欠航した朝にジェット船が出ました。大島・新島・神津島・三宅島・八丈島には飛行機の便があり、島どうしを結ぶヘリコプターもあります。飛行機とヘリも台風で欠航し、払い戻しと振替の規定は会社ごとに違います。島ごとの船以外の帰り方と各社の欠航時の扱いは、伊豆諸島で船が欠航したらの表にまとめています。
この記事の数字の読み方と、集計の方法
御蔵島は、船が着きにくい島
御蔵島は、2013年1月1日〜2026年9月11日の記録(4,946日)で船が着いた日が59.1%の島です(御蔵島へのアクセス)。港の条件は島ごとに違うため、同じ台風でも、ほかの島で同じ日数になるとは限りません。青ヶ島の連絡船は、青ヶ島村の案内で就航率50〜60%とされ、その日の運航は当日の朝7時に決まります(青ヶ島へのアクセス)。
集計の方法
- 船の記録:御蔵島観光協会「東海汽船運航状況」の2013年1月1日〜2025年12月31日の記録から、「御蔵島着」「御蔵島発」の○×を使いました。同じ日に2件ある場合は新しいほうの更新を使い、記録のない日は数えていません。
- 台風の位置:気象庁「台風位置表」の2013〜2025年のCSVを使いました。熱帯低気圧や温帯低気圧だった時間帯(最大風速の欄が0の行)は除き、時刻は日本時間に直しています。
- 300km圏の判定:御蔵島(北緯33.875度・東経139.600度)と台風の中心との距離を計算し、300km以内に入った日を「300km圏にいた日」、その最後の日を「300km圏を出た日」としました。「翌日に船が島を出た」は、300km圏を出た日の次の日の「御蔵島発」が○だった回です。
- 「島を出る最後の船」は、300km圏に入った日より前で、最後に「御蔵島発」が○だった日です。
- 2023年台風第7号は、300km圏に入る前日(8月13日)の記録がありません。この回は、前日に「着かなかった」「島を出る最後の船が2日以上前だった」のどちらにも数えていません。
- 2026年は、集計した9月16日の時点で、御蔵島の300km圏に入った台風はありませんでした。
まとめ
- 2013〜2025年に御蔵島の300km圏に入った台風は39回。最も多いのは10月の14回
- 300km圏にいた日に船が着いたのは39回中5回。中心が150kmより遠くを通った台風でも、39回中の該当23回のうち22回は着いていない
- 9月の9回は、接近の前日に船が着かなかった回がない。10月は14回中11回で、前日にもう着いていない
- 島を出る最後の船が接近の2日以上前だった回は、10月で14回中12回
- 300km圏を出てから船が島を出たのは、2日後までで39回中33回、3日後までで37回。9〜10月の23回は、3日後までにすべて出ている
- 日程は、帰りの予備日2日と、接近が分かったら2日以上前の船で帰る、の2つを入れておく
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- 青ヶ島へのアクセス|就航率50〜60%の島で「行けて、帰れる」日程の組み方
参考・出典(公式サイト)
- 御蔵島観光協会「東海汽船運航状況」(2013年〜の日次記録)
- 気象庁「台風位置表」
- 気象庁「伊豆諸島および小笠原諸島への接近数」
- 気象庁「台風の平年値」
- 気象庁「台風情報の種類と表現方法」
- 気象庁「台風情報」
- 利島村「来島Q&A」
- 東海汽船「今後の予約変更・取消手数料の取り扱いについて」(2026年8月31日)
- 東海汽船「本日の運航状況」
- 青ヶ島村「アクセス」
- YouTube「伊豆大島滞在記 Vol.16 台風直撃、船欠航、帰れなくなった」(2023年9月・旅行者の記録)
- TBS NEWS DIG「八丈島は航空便もフェリーも欠航…交通インフラ“断絶” 食料品不足も懸念」(2023年8月)
- TBS NEWS DIG「【台風7号】非常に強い台風7号迫る八丈島では既にスーパーが品薄に」(2023年8月)
※ 情報は変更される場合があります。おでかけ前に各公式サイトでご確認ください。(最終確認:2026年9月)
