伊豆諸島には9つの有人島がありますが、「どの島から、どの島へ直接渡れるのか」は意外とわかりにくいところ。実は、島と島を結ぶ船は決まった並び順にしか走っていません。この記事では、東海汽船・神新汽船・新島村・伊豆諸島開発・東邦航空の公式情報をもとに、島間移動の全体像と運賃の目安を一枚の地図のように整理しました。2島・3島をつなぐ周遊プランを組むときの土台にしてください(運賃・ダイヤは変動するため、以下はいずれも目安です)。
まず全体像|伊豆諸島は「北の5島」と「南の4島」に分かれる
島めぐりを考えるうえで最初に押さえたいのが、定期船の航路が北と南の2グループに分かれていることです。同じグループ内なら船で島から島へ渡れますが、グループをまたぐ移動は事情が変わります。
北の5島=大島・利島・新島・式根島・神津島
東海汽船の大型客船と高速ジェット船が、東京(竹芝)→大島→利島→新島→式根島→神津島の順に寄港し、帰りは逆順にたどります。つまりこの5島は数珠つなぎでつながっており、隣の島へも先の島へも船で移動できます。北の5島は周遊プランがいちばん組みやすいエリアです。
南の4島=三宅島・御蔵島・八丈島・青ヶ島
大型客船「橘丸」が東京(竹芝)→三宅島→御蔵島→八丈島の順に寄港し、帰りは逆順です。三宅島・御蔵島・八丈島の3島は船でつながっています。最南の青ヶ島だけは竹芝からの直行便がなく、八丈島を経由して渡ります。
北と南を直接結ぶ定期船はない
ここが周遊設計の最大のポイントです。北のグループと南のグループを直接結ぶ定期船はありません。たとえば神津島から三宅島へ渡りたい場合、船ならいったん東京へ戻って乗り継ぐことになります。北と南をまたぐなら、後述のヘリコプター路線か、東京での乗り継ぎを前提に日程を組みましょう。
船で渡る島間の運賃早見表
東海汽船の島間運賃(2等・大人片道)の目安です。同じグループ内であれば、隣の島へは意外なほど手ごろに渡れます。
| 区間 | 2等運賃(大人片道・目安) |
|---|---|
| 大島〜利島 | 1,230円 |
| 大島〜新島 | 1,780円 |
| 新島〜式根島 | 820円 |
| 式根島〜神津島 | 850円 |
| 三宅島〜御蔵島 | 2,600円 |
| 御蔵島〜八丈島 | 3,060円 |
※ 東海汽船の運賃表(2026年8月時点)より。等級(特2等・1等など)で運賃は変わります。最新額は公式運賃表でご確認ください。
新島と式根島は連絡船「にしき」で20分
島間移動のなかでも群を抜いて気軽なのが、新島と式根島を結ぶ村営の連絡船「にしき」。新島村の公式ダイヤでは1日3往復が設定され、所要は20分ほど。運賃は大人片道430円・往復840円と、路線バス並みの価格です(夏期はダイヤが一部変わります)。
東海汽船の船で新島または式根島に入り、この連絡船で2島を行き来する組み立ては、伊豆諸島の周遊のなかでもっとも失敗が少ないルート。実際の日程例は新島・式根島 2泊3日モデルコースにまとめています。

島を横につなぐヘリ「東京愛らんどシャトル」
船の航路が北と南に分かれているなか、島から島へ横断的に飛んでいるのが東邦航空のヘリコプター「東京愛らんどシャトル」です。利島・大島・三宅島・御蔵島・八丈島・青ヶ島を結び、定期船が着きにくい島へのアクセス手段として重宝されています。片道運賃(大人)の目安は次のとおりです。
| 区間 | 片道運賃(大人・目安) |
|---|---|
| 大島〜利島 | 7,370円 |
| 三宅島〜大島 | 11,880円 |
| 御蔵島〜三宅島 | 5,870円 |
| 八丈島〜御蔵島 | 12,820円 |
| 八丈島〜青ヶ島 | 11,750円 |
予約は搭乗日1か月前の同一日から前日まで(日曜を除く)受け付けています。座席数が少なく人気区間は早く埋まるため、日程が決まったら初日に押さえるのが鉄則。運航の詳細は伊豆諸島へのアクセス完全ガイドでも触れています。
八丈島から青ヶ島へは連絡船「くろしお丸」
八丈島と青ヶ島を結ぶのが、伊豆諸島開発の連絡船「くろしお丸」。航路の距離は81kmで、所要は約3時間です。運賃は2等大人3,880円(2026年8月)ですが、燃料価格の調整で月ごとに変わる点に注意してください。
この航路でいちばん大事なのは、就航できるかどうかが当日の朝7時に決まること。青ヶ島港は風や波の影響を受けやすく、ダイヤどおりに運航できない日が少なくありません。乗船券は予約不要で当日発売のみ・支払いは現金のみという運用も、事前に知っておくと慌てずにすみます。
下田発の航路は曜日で寄港順が逆になる
意外と知られていないのが、静岡・下田から出ている神新汽船「フェリーあぜりあ」。伊豆半島から北の島々へ渡れる航路で、曜日によって寄港の順番が逆になるのが特徴です。
- 火・金・日曜:下田 → 利島 → 新島 → 式根島 → 神津島 → 下田
- 月・木・土曜:下田 → 神津島 → 式根島 → 新島 → 利島 → 下田
「行きは竹芝から船、帰りは下田へ抜ける」といった片道ずつ違うルートの旅も組めます。曜日で順番が変わるぶん、島に着く時刻も大きく変わるので、必ず当日のダイヤを確認してから予定を立ててください。
乗り継ぎ設計の3つのコツ
島間移動を含む旅程は、「予定どおりに動けない日がある」前提で組むのが成功の分かれ目です。
- 島から本土へ戻る日に余裕を持たせる:欠航に備え、帰京の翌日に大事な予定を入れない。
- 「1本の船でつながる範囲」で組む:北の5島は東海汽船の1航路で数珠つなぎ、南は三宅島・御蔵島・八丈島の3島が「橘丸」1本でつながります。ここに収まる旅程は乗り継ぎ失敗のリスクが小さい。青ヶ島だけは八丈島で別会社の連絡船に乗り換えが必要で、当日朝まで就航が読めない点を必ず織り込む。
- グループをまたぐならヘリか東京乗り継ぎ:どちらも便数が限られ移動に時間がかかるので、島を欲張らず2島に絞るほうが結果的に満足度は高い。

まとめ
伊豆諸島の島間移動は、北の5島(大島・利島・新島・式根島・神津島)と、南の島々(三宅島・御蔵島・八丈島・青ヶ島)という2つのグループで考えるとすっきり整理できます。北の5島は1本の航路で数珠つなぎ、南は三宅島・御蔵島・八丈島の3島が「橘丸」でつながり、青ヶ島だけは八丈島で連絡船に乗り換えという形です。新島〜式根島のように連絡船「にしき」を使えば20分・430円で渡れる区間もあります。グループをまたぐ移動は、ヘリコプターか東京での乗り継ぎが基本です。欠航が起こりうる前提で日程に余白をつくる——これさえ押さえれば、2島3島を巡る島めぐりはぐっと現実的になります。
あわせて読みたい
- 伊豆諸島へのアクセス完全ガイド|竹芝から島へ
- 東海汽船の大型客船ガイド|さるびあ丸・橘丸の乗り方と船室クラスの選び方
- 高速ジェット船セブンアイランド完全ガイド|伊豆諸島への最速アクセス
- 新島・式根島 2泊3日モデルコース|連絡船で渡る2島めぐり
- 三宅島+御蔵島 周遊モデルコース|イルカと泳ぎ、森で野鳥に出会う
参考・出典(公式サイト)
- 東海汽船|運賃表
- 東海汽船|時刻表
- 神新汽船(下田〜伊豆諸島「フェリーあぜりあ」)
- 東京都新島村|連絡船にしき 運航ダイヤ
- 東京都新島村|連絡船にしき 料金表
- 伊豆諸島開発|八丈島⇔青ヶ島(くろしお丸)
- 東邦航空|東京愛らんどシャトル 運賃・料金
※ 情報は変更される場合があります。おでかけ前に各公式サイトでご確認ください。(最終確認:2026年8月)
