伊豆諸島の島内交通ガイド|バス・タクシー・レンタカーがある島とない島【9島まとめ】

海沿いの舗装路のわきに停められた自転車と、その先に広がる海と低い岬

伊豆諸島の旅は、船と飛行機を押さえた時点でまだ半分しか決まっていません。残りの半分が「島に着いてから、どうやって動くか」です。伊豆諸島9島のうち、路線バスもタクシーもレンタカーもレンタサイクルも無い島が2つあります。その一方で、レンタカーの事業者が15社ある島もあります。同じ東京都の島でありながら、島内の足の事情はここまで違います。

この記事では、東京都の公式サイト「アイランドアクセス」が各島ページに載せている「島内の交通情報」を9島ぶん横に並べ、そのうえで各村・町とバス事業者の公式資料で運賃のしくみまで確認しました。事業者数・運賃は2026年9月2日に各公式サイトで確認した時点の内容です。

9島の島内交通・早見表

まず全体像です。下の表は東京都「アイランドアクセス」の各島ページにある「島内の交通情報」欄を数えたものです。「ー」は同欄が「ー」表記=掲載されている事業者が無いことを示します。

島 路線バス タクシー レンタカー レンタサイクル・バイク
伊豆大島 大島バス 7社 8社 4件
利島 ー ー ー ー
新島 無料巡回バス「ふれあいバス」 1社 3社 3件
式根島 ー ー 2社 9件
神津島 村営バス 2社 3社 1件
三宅島 村営バス 4社 2社 2件
御蔵島 ー ー ー ー
八丈島 八丈町営バス/八丈さくら観光 4社 15社 4件
青ヶ島 ー ー 2社 ー

並べてみると、島の性格がはっきり分かれます。車も自転車も借りられない島(利島・御蔵島)、バスもタクシーも無いが自転車は豊富な島(式根島)、レンタカーだけがある島(青ヶ島)という具合です。以下、それぞれの事情を公式の資料で見ていきます。

足がまったく無い島が2つある|利島と御蔵島

利島と御蔵島は、早見表の4項目すべてが「ー」でした。利島については、利島村の公式サイトが来島予定者向けにはっきり書いています。

「島内には、タクシーやバスなど交通機関はありません。またレンタカー、レンタバイク等もありませんので、徒歩での観光、又は民宿にご相談下さい。」(利島村公式)

つまり利島は「歩く」か「宿に相談する」かの二択です。同じページには、宿は必ず事前に空き状況を確認すること、村役場では宿の斡旋を行っていないこと、キャンプ・野宿は条例で全面禁止であることも並べて書かれています。足だけでなく泊まる場所も現地調達がきかない島だと考えたほうが安全です。

御蔵島も東京都の同じ欄が4項目とも「ー」です。御蔵島はドルフィンスイムの島として知られますが、船に乗る以外の移動は基本的に自分の脚が前提になります。

斜面に立つ集落の家並みと、丸い石を積んだ石垣に挟まれた細い坂道。奥に海と島影が見える
斜面に寄り添う集落と、丸い石を積んだ石垣に挟まれた細い坂道。車の借りられない島では、この勾配を自分の脚で上り下りすることになる

バスの運賃は、島ごとにしくみがまるで違う

路線バスがある5島(伊豆大島・新島・神津島・三宅島・八丈島)も、運賃の考え方は共通していません。同じ「島のバス」でも、無料の島から1日2,500円の乗車券がある島まで幅があります。

八丈島|2日間バス乗り放題+温泉入り放題で1,000円

八丈町営バスの乗合運賃は130円から580円です(令和7年4月1日の乗合運賃表)。坂上の末吉から坂下の神湊・底土まで乗り通すと580円になります。

あわせて押さえたいのが、八丈町営バスの「BU・S・PA(バスパ)」です。公式の説明は「購入日から2日間バス乗り放題・温泉入り放題のお得なチケットです。料金は大人1,000円、小学生500円で、町営バス受付とバス車内で販売しています。」というもの。バス2日ぶんに温泉が付いて1,000円なので、末吉と神湊を1往復(580円×2)するだけで運賃ぶんに届く計算です。モバイルチケットもあります。

対象の温泉は「ふれあいの湯」「ザ・BOON」「やすらぎの湯」「みはらしの湯」の4か所ですが、公式が「ザ・BOONは現在休業中です」と注記しています。出かける前に最新の状態を確認してください。なお循環路線は日曜日が運休です。

伊豆大島|1日乗車券2,500円、2日乗車券3,800円

伊豆大島の路線バスは大島旅客自動車(大島バス)の1社です。乗車券は1日乗車券が大人2,500円・小児1,250円、2日乗車券が大人3,800円・小児1,900円で、いずれも全路線で使えます(運賃表は令和8年1月1日から)。発券所は大島営業所・路線バス車内・出帆港待合所のバス窓口(午前便の入港帯のみ)で、1日・2日乗車券はジョルダンの「乗換案内」アプリからも購入できます。

大島バスの公式には、大型客船が早朝6時に入港する日に合わせて各方面への接続バスが出るとも書かれています。夜行の客船で着く人は、下船後すみやかにバス乗り場へ向かうことが前提のダイヤです。

タクシーは東京都の掲載で7社ありますが、伊豆大島観光協会は「流しのタクシーはありません。夜間はほとんど営業しておりません。」と書いています。手を挙げて拾う想定はしないほうがよいということです。

神津島|どこまで乗っても大人200円

神津島の村営バスは大人200円・小学生100円の均一運賃で、支払いにPayPayが使えます。未就学児と、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は無賃と村公式が明記しています。

村営バスは内回り・外回り・西海岸の3ルート。2026年9月1日〜9月27日の時刻表では、前浜港を起点に内回り5便・外回り4便・西海岸9便が設定されています。内回りは港を出て1周29分(8時40分発の1便が9時09分に港へ戻る)という小回りのきくダイヤです。村公式は時刻表について「バスの時刻表は各交通機関等の発着時間の発表後に作成となるため、事前のお知らせは、概ね約1ヶ月前となります」と断っています。旅程を組むときは必ず該当期間のものを見てください。

新島|巡回バスは無料。ただし1日3便

新島の「ふれあいバス」は運賃が無料です。新島村観光案内所の説明では「1日3便運行。にしきの発着に合わせて島内を巡回している無料バスです。」とあります。ダイヤが連絡船にしきに紐づいているのが特徴で、便数が少ないぶん船の時刻とセットで考える必要があります。

海況によってジェット船の発着が若郷漁港(渡浮根港)になることがあり、その場合は新島港との間に臨時バスが運行されるとも案内されています。

三宅島|1日5本の村営バス

三宅島は村営バスが走っていますが、三宅島観光協会の紹介は「1日5本が走る島ローカルバス」。本数が限られるぶん、レンタカーか電動アシスト自転車と組み合わせる前提で考えたほうが動きやすい島です。観光協会自身が電動アシストのレンタサイクルを運営していて、「坂の多い道も らくらく走れる電動アシスト自転車!」と案内しています。

緑に覆われた山へ向かってのびるコンクリートの導流堤と、その上を渡る道路の橋
緑に覆われた山へまっすぐのびるコンクリートの導流堤と、その上を渡る道路の橋。島の道は起伏と距離があり、徒歩だけで回るには広い

タクシーが無い島、レンタカーだけがある島

式根島は、東京都の欄で路線バスもタクシーも「ー」です。式根島観光協会も「式根島にはタクシーがありません。」と明記しています。そのかわりレンタサイクル・レンタバイクの掲載が9件と9島でいちばん多く、実質的に自転車の島です。

ただし観光協会は、平坦に見える島の実際をこう書いています。「一見たいらに見える式根島。島の中に入ると意外とアップダウンがキツい・・・歩いてまわれますが、レンタカーやレンタバイク、レンタサイクルでの移動もオススメです。」歩いて回れる規模ではあるが、坂は覚悟しておくというのが公式の言い分です。

青ヶ島は逆のパターンで、バス・タクシー・レンタサイクルがすべて「ー」、レンタカーだけが2社(青ヶ島レンタカー・池之沢レンタカー)という構成です。港と集落の高低差が大きい島なので、車を確保できるかどうかが行動範囲を決めます。

八丈島のレンタカー15社という数字は、9島のなかで際立っています。空港と港のどちらに着く可能性もあり、坂上・坂下に集落が分かれている島の事情が、そのまま事業者数に出ていると読めます。

神津島には、アプリで呼ぶ公共ライドシェアがある

島内交通の新しい選択肢として押さえておきたいのが、神津島村の公共ライドシェア「神津シマライド」です。村公式は「神津島村では公共ライドシェアの運行を開始しました。タクシーアプリ『GO』からご利用ください。」と案内しています。

運行時間は9時から22時、運賃は事前確定制でキャッシュレス決済です。村営バスが夜まで走らない島で、22時まで動く足をアプリで呼べるのは、夕食や星空を見に出るときに効いてきます。

島内の足を決めるときの3つの目安

1つ目は、島に着く前に足を確定させること。利島と御蔵島には借りられる乗り物がなく、青ヶ島はレンタカー2社だけ、神津島のレンタサイクルは1件だけです。事業者が1〜2社しかない島では、現地に着いてから探す進め方が成り立ちません。

一方で、タクシー7社・レンタカー8社と事業者数の多い伊豆大島でも、予約なしで借りられるとは限りません。伊豆大島観光協会は、釣りで使う場合はその旨を伝えて予約するよう求めたうえで「事前予約がない場合はご利用できないことがあります。」と書いています。事業者が多い島でも、用途によっては事前予約が前提だということです。

2つ目は、船・飛行機の時刻からバスを逆算すること。新島のふれあいバスは連絡船にしきの発着に合わせた1日3便、大島バスは早朝6時入港に合わせた接続便、神津島の村営バスは約1か月ごとに時刻表が作り直されます。いずれもバスのダイヤが船の側に合わせて動いているため、先に船を決めてからバスを見るのが順序になります。

3つ目は、乗り放題券が成立するか計算すること。八丈島のバスパは2日間乗り放題+温泉入り放題で1,000円、伊豆大島の1日乗車券は2,500円です。八丈島は坂上と坂下を1往復すれば運賃ぶんに届きますが、伊豆大島は元町港から三原山や大島公園まで動く日でないと使い切れません。行程が港の周辺で完結する日は、都度払いのほうが安く済みます。

まとめ

伊豆諸島の島内交通を9島ぶん並べると、次のように整理できます。

  • 足が無い島=利島・御蔵島。バス・タクシー・レンタカー・レンタサイクルのすべてが「ー」で、徒歩か宿への相談が前提
  • バスがある島=伊豆大島・新島・神津島・三宅島・八丈島の5島。ただし無料(新島)から1日券2,500円(伊豆大島)まで運賃のしくみは別物
  • 自転車の島=式根島。バスもタクシーも無いがレンタサイクルの掲載は9件と9島で最多。ただし公式が「アップダウンがキツい」と注意している
  • 車だけの島=青ヶ島。レンタカー2社のみで、バス・タクシー・自転車は無し
  • 割安なのは八丈島のバスパ。2日間のバス乗り放題に温泉が付いて大人1,000円
  • 神津島は公共ライドシェア「神津シマライド」がアプリで呼べ、22時まで動く

島内の足は、船の予約と同じくらい早く決めておきたい項目です。とくに事業者が1〜2社の島では、宿を取るのと同じタイミングで押さえておくと安心です。

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参考・出典(公式サイト)

※ 情報は変更される場合があります。おでかけ前に各公式サイトでご確認ください。(最終確認:2026年9月)

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